物流のマテハン機器など、連携システムにて作業の自動化を支援

生産年齢人口の減少という社会問題に直面している。日本では近年、ネット通販の隆盛などを背景に、特に物流業界におけるドライバーや庫内の労働者不足、長時間労働が大きな課題となっている。一方で多様化するニーズへの対応、多種多様な商品の迅速配送が求められている。

作業の省力化や取り扱いアイテム数の増加、物量の変動に柔軟に対応が可能な効率的な物流システムを求める声が高まっているという。日立製作所は7月26日、NTTドコモの物流拠点「東日本マーケティングロジスティクスセンター」に、同センター内の自動化を支援するシステムを新たに構築し、本格稼働を開始した。

フォークリフト、コンベヤなどでの運搬、自動倉庫等での保管、ソーター・ピッキングシステム等での仕分けをも自動化するマテリアルハンドリング機器(マテハン機器)および倉庫管理システム(WMS)、設備の自動制御システム(WCS)を連携し、入荷から保管、出荷指示、仕分けや検品、出荷といった一連の作業進捗を管理するとともに、注文に対する在庫の引当・出荷指示からそれに対応するマテハン機器の制御を一元的に行う。

倉庫内作業の省力化に加え、配送箱数の削減が可能となる同梱機能などを実装したという。今回、物品の入出荷や在庫を管理するWMSにおいて、受発注システムからの多彩な注文データに対して、配送先別の引き渡し時間などの制約条件を踏まえた全体の出荷計画を作成し、設備に作業指示を出すしくみを実現――。

システム上で携帯端末本体、付属品、販促品などの重量やサイズを考慮した配送先別の梱包計算を行い、WMSからWCSを介してマテハン機器へ仕分けや搬送を指示することで、配送先の店舗ごとに少ない箱数で異なるアイテムを効率的に同梱することを可能にする。日立は今後、NTTドコモのパートナーとして、IoTプラットフォーム「Lumada」も活用し、物流最適化の推進を支援していく構えだ。