免震ゴムの地震応答解析モデルを開発

ブリヂストンは、東京工業大学 笠井和彦特任教授、北海道大学 菊地 優教授の協力のもと、自社の免震ゴムのラインアップの1つである「高減衰系積層ゴム」の地震応答解析モデルを開発した。

解析モデルは、海外でビルや橋などの構造物の設計に広く利用されている、米国Computers and Structures社製の構造解析ソフト「ETABS」「SAP2000」にメニュー化され、ブリヂストンの高減衰系積層ゴムを適用した免震構造設計の精度向上に役立てられるという。

この解析モデルは、「変形履歴積分型弾塑性モデル(Deformation-History Integral type:DHIモデル)」と呼ばれ、モデル化が困難であった高減衰系積層ゴムの非線形な特性を高精度に再現できる。海外の免震建物において同社の高減衰系積層ゴムを適用した際の構造解析が容易となり、より精度の高い設計が図られるという。

ブリヂストンによると、一般的な天然ゴム系積層ゴムはエネルギー吸収性が低いため、せん断力が変化しにくく、履歴曲線は直線に近い線形を取る。高減衰系積層ゴムはエネルギー吸収性が高いため、免震ゴムが地震の揺れによって変形し、その形状が戻ろうとする際にエネルギーを吸収することでせん断力が弱まり、四角い軌跡をえがき、非線形のグラフとなるという。

同社は、多様な要望に応えるために幅広い免震ゴムのラインアップを取り揃えている。その1つである高減衰系積層ゴムは、1988年に物件に初採用されて以来、マンションや物流倉庫、病院、工場など700以上の物件に採用されてきた。