働き方改革ツール利用者の声と見えてきた課題

脱時間給や同一労働同一賃金をめざす働き方改革法が今年6月に成立した。日本ではしかし、条文に紐付けられた働き方改革よりも、真の働き方改革が求められる。海外企業と比較すると、個人の裁量範囲が限られていて、先頃までICT(情報通信技術)の活用が明らかに遅れていた。

日本国内における働き方改革関連ICTツールの利用動向調査の結果を、IDC Japanが発表した。従業員数100以上の企業にて主にオフィスワーカー(非現業部門の従業員)を対象に、テレワークを含むオフィス業務改革系ICTソリューションの導入/利用状況とその評価、導入予定についてアンケートをとった。ツール導入ではIT部門のデータの分析、導入予定については経営層のデータの分析を加えたという。

調査の結果、導入率が高い順に、旅費/経費精算(47.5%)、勤怠管理(43.8%)、ワークフロー(42.5%)となった。大企業ではリモートアクセスや会議システムの導入も進んでいて、部署や職務内容を問わない利用および広範な導入効果をもたらすツールが優先導入されていると考えられる。社員の現用および希望ツールは、ノートPC接続用モニター(74.0%)、ビジネスチャット(73.8%)がトップ2となる予想外な結果となった。それぞれの利用率は低めだが、実用的には必須アイテムであることが判明したという。

テレワークについては、時間の有効利用が評価されている反面、アクセス制限やコミュニケーション不足/時宜性など、実体験での問題が挙げられている。導入率は大企業で50.0%、中堅企業22.5%と、企業規模で格差のあることがわかった。回答者自身の体験率は企業での導入率をかなり下回っていて、テレワークを導入している企業においても、実際に利用するオフィスワーカーは一部に留まっている実態が明らかになったという。

調査結果の詳細はIDCレポートにて確認できる。