Society5.0を実現するICT統合基盤、研究開発はじまる

第5世代移動通信システム(5G)時代を目前にIoT(モノのインターネット)の展開が世界で加速している。いま日本でも、IoTが生成する膨大なデータをAI(人工知能)で分析・解析などして、社会的課題の解決や、人々の暮らし、医療及び経済の発展に役立てる動きが始まっている。

10年先を見通した科学技術基本計画をもとに「超スマート社会(Society5.0)」の実現を目指している。ほかにもこの文脈にて、「科学技術イノベーション総合戦略2017」(内閣府)、「新たなICT(情報通信技術)戦略の在り方――第3次中間答申」(総務省)が提示されていて、各種先進技術や先端システムを活用した、高い国際競争力を持つ日本版ICTプラットフォームの具現化が進められている。

これからは、5Gの導入やIoT機器の急速な普及に伴い通信量が爆発的に増加し、交通、医療・介護、農業、製造業等さまざまな分野で新たなサービスが創出され、各サービスで多種多様なネットワーク要件が見込まれる。そこでAIを活用しつつ、人の行動変化などに応じてネットワークリソースを動的かつ最適に自動制御する技術の確立が重要だとして、総務省は「革新的AIネットワーク統合基盤技術の研究開発」を公募。

KDDI、日立製作所、NECは、NICTと共同で上記研究開発について提案を行い採択されたときょう発表した。安定した通信インフラの提供に向け、サービス要件定義から回線設計、ネットワーク設定、障害監視、復旧作業など通信サービスのライフサイクルの自動化を実現することを目的とした同研究開発の課題I (AIによるネットワーク運用技術)、課題II (AIによるネットワークサービス自動最適運用制御技術) に取り組んでいくという。

4者は今後さらに複雑化する技術分野で機械学習/AIを用いることにより、多彩なサービス要件を満たしかつ安定した通信インフラ提供を可能とする構えだ。