ドローンによる3次元測量作業を支援するクラウドサービス

日立システムズと、航空測量大手のパスコは協業し、ドローンによる3次元測量を支援するサービスを2018年9月から提供開始する。現場における作業手順の標準化と品質向上を図ることを支援する。

このサービスは、日立システムズの「ドローン運用統合管理サービス」を通じて、パスコが開発した現場支援アプリケーション「PADMS-SmartSOKURYO(パダムス-スマートソクリョウ)」を、全国の建設会社や測量会社向けに提供するクラウドサービス。

土木工事においてドローンを利用して3次元測量を行う際に、フライト準備からフライト終了後まで、ドローン空撮を正しく行うための現場作業を支援する。具体的には、タブレット端末上で、作業計画に基づいた作業項目を提示するとともに、音声ナビゲーションにより、漏れなく作業を実施することをサポートする。

対空標識を設置する際には、GPS機能によって撮影計画通りの場所へ設置することを支援。撮影終了後は、タブレット上で撮影角度や枚数に不備がないか、焦点がずれた写真がないかをその場で確認でき、必要に応じて取り直しできる。

これにより、撮影計画に基づき、正しい手順通りに撮影を行い、要求精度を満たす3次元測量データを作成することが容易になるという。また、遠隔地にいる管理者が現場の作業状況を即時に把握できるリアルタイム情報共有機能や、フライト実施後のレポート作成を支援する機能も利用できる。

建設分野では、労働人口の減少や高齢化の進展などにより、生産性向上が大きな課題となっている。そのため、国土交通省では、3次元測量データやICT建機などを活用して建設生産システム全体の生産性向上をめざす取り組み「i-Construction」を推進している。

そうした中で、ドローンによる測量は、3 次元測量データを効率よく作成できる手段として注目されているが、要求精度を担保するためには撮影計画通りに現場作業を実施する必要がある。

例えば、対空標識の設置位置のズレなどにより計画していた撮影コース通りに飛行できなかった場合、要求精度を担保できず、対空標識の再設置や撮影のやり直しが必要になるため、ドローン活用における課題になっていた。

日立システムズでは、このサービスの提供により、i-Constructionの実現に向けて作業手順の標準化と品質向上を図ることができ、作業のやり直し防止や業務の効率化を実現できると説明する。