ラトックシステムは、酒蔵向けのシステム「もろみ日誌」に新たな機能を追加し、2018年8月下旬から順次提供を開始すると発表した。品温を監視するシステムから、もろみ造りの現場を支援するシステムへと進化するという。
もろみ日誌は、蔵にいないときも「もろみ」の品温を把握し、記録を自動化するシステムとして開発された。高精度のPT100品温センサーで1時間ごとに自動計測してPCに保存、グラフ表示したり、設定範囲を超えるとスマホに通知する機能を利用できる。さらに品温以外のボーメ度やアルコール度などを手入力で記録することで、仕込みの事績管理も可能。
ラトックシステムでは、もろみ造りの現場での実証実験を経て、作業を改善する様々な意見・要望を踏まえて、アプリの機能を大幅にアップデートした。オプションも用意し、より現場のニーズに寄り添った「もろみ造りを支援するシステム」に作り上げたという。
その中でも、現在手書きによる作成で現場の負担となっている税務署提出用の「もろみ経過簿」「製造帳」を蓄積したデータから印刷できる機能は、特に大きな評価を得ていると説明する。
また、ボーメ度と日数から算出するBMDの曲線は、品温と並んで酒質を決める指標となっている。最新バージョンでは、過去の品温・BMDグラフと仕込み中のグラフを同じ画面上に重ねて表示し、比較しながらもろみ造りをすすめることを可能にした。
さらに、今回追加した帳票印刷機能を、品温モニタリング、仕込み事績のデータベース化と並ぶ主軸の機能とし、2018年7月下旬には南部杜氏夏季講習会に製品を出展するなど、日本各地の酒造関係者向けに展開していく。