ヘルスケアIoT、顔から脈波と血管年齢をスマート算出

モノのインターネット(IoT)技術は昨今、AI(人工知能)との相乗効果で活用の幅が広がっている。産業分野のみならず、医療・ヘルスケア分野でも、画像解析などによって検査精度を向上したり時間を短縮したり、「超スマート社会(Society5.0)」の礎となりつつある。

ディープラーニング(深層学習)をはじめとするAIは、医療分野における従来の高価な機器を用いた検査や面倒な診断を低コストかつシンプルに変える、基盤技術として活用が期待されているという。アサヒ電子と、TISブリスコラは、ディープラーニングを活用して、顔動画から脈波や血管年齢を算出する顔認識アルゴリズムと、そのデータを収集するクラウドIoTプラットフォームと、そのデータ活用を容易にするAPIゲートウェイを共同開発する。

脈波や血管年齢などのバイタルデータの取得はこれまで、専用の検査機やウェアラブル端末、有線による接触測定が必要であった。そこで今回共同開発する顔認識アルゴリズムを活用すれば、カメラ撮影した顔動画から非接触で脈拍やストレスレベル、疲労度などが取得できる。各種バイタルデータを容易かつリアルタイムに算出できる。

同データを、次世代ソフトウェアFIWAREを活用したIoTプラットフォームへネット経由で即座に蓄積し、Kongでセキュリティを担保したAPIを介してLINEボットにより本人へ通知することや、外部企業や病院、大学、研究機関等と情報連携させることで、日々の健康状態の把握や疾病の予防、健康増進を図るしくみの実現が可能になる。APIゲートウェイでは高度なセキュリティに加えてトラフィック制御等の管理機能も提供するという。

3社は、平成30年度福島県ロボット関連産業基盤強化事業に採択された今回の開発について、実用化に向けた実証事業を通じて医療機関との連携を進め、企業や公共施設、介護施設への導入を推進していく構えだ。