世界初、送電設備を利用したドローン配送の実証実験に成功

東京電力ベンチャーズとゼンリン、楽天は、ドローンの安全飛行をインフラ側から支援する「ドローンハイウェイ」を活用したドローン物流の共同検討を開始し、実証実験に成功したと発表した。

東電ベンチャーズとゼンリンは、2017年3月29日にドローンの安全飛行をインフラ側から支援する「ドローンハイウェイ構想」の実現に向けた業務提携を行った。ドローンハイウェイ構想は2018年6月に改訂された政府の「空の産業革命に向けたロードマップ」において取り上げられるなど、その役割に対する期待が高まっている。

東京電力グループが保有する、送電鉄塔や送電線、変電所、電柱などのインフラデータと、ゼンリンが開発を進める空の三次元地図を組み合わせ、安全・安心な空の道の早期実現に向けて取り組んでおり、2018年より関東に複数のテストコース開設を予定している。

今回、「楽天ドローン」としてドローン配送サービスに取り組む楽天が、新たにドローンハイウェイ構想に加わることで、安全な空の道の実用化に向けた検討を三社で協力して行う。すでに、2018年6月27日に埼玉県秩父市において、第一回目となる共同実証実験を行い、世界初の送電設備を使ったドローン配送に成功したという。

共同実証実験では、ゼンリンが送電鉄塔の三次元化、ジオフェンス、モニタリングアプリを開発。東電ベンチャーズがリアルタイムに気象状況を把握するための観測機器をドローンハイウェイに設置し、観測機器から取得した気象状況に応じたドローンの飛行制御を実施。今後、観測機器から得られたビッグデータを解析することで、安全飛行の高度化を目指す。

埼玉県秩父市にてドローン配送サービスである楽天ドローンとドローンハイウェイを利用した片道約3kmの自律飛行に成功。地元住民へドローンによるお弁当の配送を実施した。