生産現場IoT、"チョコ停"などのわけを見える化し要因を細分化

「第4次産業革命」、「インダストリー4.0」といった文脈で、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の展開が進んでいる。一方で、日本においては労働人口が減少し、人手不足が深刻になっている昨今、「ものづくり革命」の現場である工場にて生産性の向上が重要課題になっている。

そのような社会の状況を踏まえ、自社で利用してきたソフトウェアを自社以外の企業でも活用してもらうという。セラミックスをベースとした多彩な電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカー、村田製作所は、工場の生産現場における設備の非稼動要因を見える化し生産性を最大化するソリューション「m-FLIP™」を9月1日から販売する。

その原型ソフトウェアは同社内で開発され、10年以上の利用実績がある。現在では、海外工場を含む20以上の自社生産拠点で利用されているという。m-FLIP™は、製造装置の稼動率をIoT技術と同社の改善活動ノウハウで最大化させる。生産設備がはっきりしない理由でしばしば短時間停止する「チョコ停」、段取り、点検、故障、休憩などの理由で停止するのを見える化する。そして、改善できる粒度まで停止要因を細分化する。

同ソリューションのシステムは、データ収集、データ蓄積・管理、データの見える化と、見える化したデータの活用支援サービスで構成――。見える化機能として、月報、ガントチャート、リストアンドン、レイアウトアンドン(アンドン+位置情報)を備えている。

インダストリー4.0やIoTの普及といった生産現場の流れのなかで、生産設備が高度化している。そこにこれまで培ってきた改善実績に基づくアドバイスを提供することが、m-FLIP™の付加価値だという。

村田製作所は今回のソリューションを、来週東京ビッグサイトで開催される工場の設備管理・保全技術に関する専門展示会「プラントメンテナンスショー」にて紹介する。