土量をスマートフォンで把握する、低コストのICT施工

生産年齢人口の減少など、日本の社会問題に直面している。土木・建設業界では、ICT(情報通信技術)を活用して生産性を向上させ、魅力ある現場をめざす取り組みが進んでいる。

"i-Construction"(国土交通省サイト)の3本柱の一つとして、土工への「ICTの全面的な活用」が挙げられている。ICT施工の進展により、起工測量や検査などの工程では小型無人機やレーザースキャナを用いる動きが広まりつつある。がこれらの方法による日々の進捗管理、土木工事で発生する土量(土の体積)の計測は限定的で、安価かつ手軽な手段が求められているという。

日立建機と日立ソリューションズは、スマホなどにより土量を簡便かつ定量的に把握できるサービスを共同開発した。専用機器や専門的な知識・経験を要する土量の計測を、ネットワーク型RTK測位法(VRS方式)の技術や、クラウドを活用した専用スマホアプリで実現するという。

そのアプリで計測対象を動画撮影するだけで、高精度な位置情報が付いた画像データが自動生成される。そしてその画像データに基づき、クラウド上で3次元データを生成してスマホに送信する。現場管理者はスマホ上で3次元データから土量を計測することができる。

同サービスは、土木業を営む顧客からの要望を受けて共創されたものであり、今年10月より、ICT・IoTソリューション「Solution Linkage」を展開するする日立建機から「Solution Linkage Survey」として、IoT機器と位置情報を活用した「建築・土木業向けスマートインフラソリューション」を展開する日立ソリューションズから「GeoMation スマートフォン活用3D計測ソリューション」として、提供が開始される。

予定に先立ち、来週開催の「i-Construction推進展」および来月開催の「CSPI-EXPO」の日立建機ブースにて披露される。