日本国内で自動運転バスの実用化に向けて

もうすぐそこまで来ている「自動運転」の時代、それを実現するためには一層安全な新車両の開発に加えて、デジタル地図や測位システム、ICT(情報通信技術)、交通系社会インフラなどの革新、そして行政のしくみと法整備が不可欠である。

「世界一安全な道路交通の実現」を掲げる日本では、自動走行システムの開発・実証、交通事故死者低減・渋滞低減のための基盤技術の整備、国際連携の構築、次世代都市交通への展開、大規模実証実験のほかに、産学官連携の強化やSociety5.0への取り組みが進められている。

そこで、北九州市や浜松市など、4市町村と連携協定を締結し、'17年には内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「自動走行システム」(参考資料)の沖縄における自動運転バスの実証実験を受託し、これを沖縄本島などで実施した。ソフトバンクグループのSBドライブはきょう、中国の検索市場シェアNo.1である百度の日本法人バイドゥとともに、自動運転バス「Apolong」の日本での活用に向けた協業で合意したことを発表した。

SBドライブは、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化を目指していて、自動運転バスの実用化による公共交通の維持・改善につなげていきたい考え――。バイドゥは、百度が蓄積してきたAI(人工知能)の研究成果である自動運転技術を活用し、日本が抱える交通・移動手段の課題を解決したい考えだという。

両社は、SBドライブが開発中の遠隔運行管理システム「Dispatcher」と、百度の自動運転システム・プラットフォーム「Apollo」を連携させ、日本の公道における自動走行を目指す。自動運転バス「Apolong」を開発・製造する金龍客車と協業し、日本向けに仕様変更などを進め、来年初期までに実証実験用を含めて同車両を10台、日本に持ち込む予定であり、今年度中に日本国内での実証実験を開始する構えだ。