入院給付金、支払査定をAIにて迅速に

高齢化が急速に進展するこの国では、入院・手術を保障する医療保険のニーズが高まっている。そして、保険会社への入院・手術給付金の請求も増加し、保険会社は、顧客への迅速な支払いに取り組んでいるという。

入院・手術給付金について、保険業界では、請求内容の確認業務の効率化が求められ、AI(人工知能)活用による課題解決が期待されているという。 各種IT(情報技術)ソリューションサービスを提供しつつ、昨年4月に「AIサービス事業部」を立ち上げたTISは、T&D保険グループの大同生命の給付金支払査定業務における、過去の入院との因果関係を判断する業務にAIを活用するPoC(実証実験)の支援を行ったことを発表。

今年2月までの約5ヶ月間、TISは、大同生命より過去2年分の支払履歴データ(個人情報除く)の提供をうけ、これを教師データとして、AIモデルを構築。AIによる判定結果と大同生命の過去の支払査定結果を突合し、正解率等を検証した。結果、正解率が約90%となり、目標を上回る結果を得られたという。

データサイエンティストが構築したAIが過去データを分析・機械学習して、入院因果関係を示唆する"AIサジェスト"によって、これまで査定者が人的に行っていた傷病と過去の入院との関連性を確認する業務の効率化が見込める――。大同生命では、今回の成果を評価し、給付金支払査定業務へのAI導入を決定した。

その本格利用に向けて大同生命と引き続き協働していく。TISは、このたびのノウハウおよび成果を活用した「AIサジェストサービス」の開発を進め、これを保険会社向けソリューション「sosiego」のラインナップとして、今年10月より他の保険会社へも提供していく予定であり、また、過去の入院との因果関係の判断に加え、不正検知や請求勧奨といったAI活用のテーマや業務領域も、各社と協力しながら拡充していく構えだ。