ソリトンシステムズは、同社が開発に成功したモバイル回線を利用する超短遅延映像伝送技術が、トラック隊列走行実証実験に採用されたことを発表した。
技術はソリトンが開発し商品化している独自の映像伝送プロトコル「RASCOW」(Real-time Auto Speed Control on Water-way model)を大幅に改良し、映像がカメラのレンズに入ってから表示装置のモニタに映し出されるまでにかかる時間での遅延時間を50ミリ/秒まで短縮したもの。
今後普及する5Gネットワークでは高信頼低遅延通信(Ultra-Reliable and Low Latency Communications:URLLC)技術が標準化され、無線区間の遅延が非常に短くなるため、リアルタイム映像を利用した建機のリモート操縦や自動運転の遠隔支援など、多方面への活用が期待されている。ソリトンは映像伝送のプロセス全体に着目し最適化を行うことで、Glass to Glassトータルでの遅延時間を50msまで短縮することを可能にした。
超短遅延の映像伝送技術は、自動運転技術を使って1人のドライバーが後続のトラックを同時に運転する隊列走行実証実験において、無人を前提とする後続トラックの周辺映像を、先頭のトラックに乗車して運転を担当するドライバーに対し、短遅延かつ安定的に表示するための通信に採用されている。
ソリトンはLTEなどの公衆モバイル回線を使って、高品質な映像をリアルタイムで伝送する「Smart-telecaster Zao-S」の開発、販売しており、独自に実装したH.265圧縮技術と映像伝送プロトコルRASCOWにより、揺らぎの大きいモバイル回線上でも安定した映像伝送を実現、報道分野やイベントのストリーミング中継、警察、消防などの公共機関まで国内外で幅広く採用されている。