情報通信
動画内の姿勢を素早く検知、作業改善などに活かす
人工知能(AI)の活用がさまざまな分野で広がり始めている。なかでも、画像認識はAIが得意とする技のひとつであり、生産・物流ラインでの品質検査や仕分、管理区域でのセキュリティ確保のほか、車やロボットの眼ともなる――コンピュータビジョンの研究開発が進んでいる。
昨今、映像の意味を解析し、生産性の向上や業務効率の改善に活かすニーズが顕在化。画像センシングからその処理までも含む技術の進展をもたらしている。かつて人の動作をコンピュータで解析するには、対象者の体にマーカーを付けて撮影し、その軌跡データを得る必要があった。が、カーネギーメロン大学(CMU)が開発した技術「OpenPose」によって事情は一変、コンピュータビジョンの利便性は格段に向上した。
そしてきょう、電通国際情報サービス(ISID)は、OpenPoseを映像解析エンジンとして利用し、動画に映る人の特定の動作や姿勢を抽出するソリューション「Act Sense」の提供を開始すると発表した。同ソリューションは、OpenPoseで取得した人の姿勢情報に、ISIDが開発したアルゴリズムを組み合わせ、特定の動作、行為、姿勢を検出するものだという。
ディープラーニング(深層学習)を用いたOpenPoseは、マーカー不要で、ごく一般的な単眼カメラの撮像から人体の姿勢を検出し、すでに撮影済みの動画にも適用できる。そのうえ複数人の姿勢をも同時に、ほぼリアルタイムに高い精度で検知できる――。最先端技術を利用した今回のソリューションでは、たとえば作業者を撮影した動画から、特定の行動がいつ発生したか、作業者の姿勢に無理が生じていないかなどが抽出可能となる。
「Act Sense」は工場、都市、オフィス、店舗、車、ヘルスケアなど、多種多様な産業および場面(CMUとの契約上の制約によりスポーツ競技の動画解析を除く)での活用が想定されている。