ものづくり、顧客に至るまでの価値連鎖を一層スマートに

AI/IoT技術などを駆使して第4次産業革命をめざす。それは、ドイツでインダストリー4.0とよばれ、米国ではインダストリアル・インターネットと通称され、"超スマート社会"を標榜する日本では製造業を軸に、「スマートファクトリー」として具現化しつつある。

あらゆるモノやコトが情報通信技術(ICT)によって賢くつながる工場――。スマートファクトリーに対する一般的なイメージはおよそこんな風だろう。今日、ブリヂストンは、顧客へ更なる価値を提供するための「スマートファクトリー構想」を発表した。

既に一昨年、独自のモノづくりICTを搭載した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を彦根工場に導入している。同社のスマートファクトリー構想は、商品戦略、開発、製造、販売、お客の製品使用過程など、バリューチェーン内で保有する様々な情報を、独自のICT/IoT技術でつなぎ統合し、ビッグデータ解析やシミュレーションを行うことで、迅速、高品質かつ効率的なタイヤ生産を目指すものだという。

バリューチェーンのデジタル化および技術革新の実行基盤となるのが、「BIO:ブリジストン・インテリジェント・オフィス」、「BID:ブリジストン・インテリジェント・デバイス」(参考資料:経済産業省ウェブ)であり、現在、同社はさらにこれらを活用した解析/予測技術、高精度加工技術、センシング技術開発を多岐の領域で進めている。

新たな仕組みにおいて、頭脳部分に該当する「BIO」でバリューチェーンに蓄積された膨大なデータを峻別・解析し、シミュレーションを繰り返すことで設備や装置の自律化アルゴリズムを算出する。これを生産システム制御用AIを搭載した「BID」により、各製造工程に実装することで、市場および開発情報を自動的に製造工程へ反映し、所要性能のタイヤを迅速に開発・製造し、顧客へ提供できるという。