IoT時代にあらゆるメッセージを仲介、利用可能にする

イベントをきっかけにスマートなデータムーブメントが、エッジおよびクラウド、社会インフラからエンタープライズITアプリに至るまで、日本国内でもオープンなプラットフォームによって一層拡大していく。

昨今、身近にはクラウド上のML(機械学習)システムなどにつながるスピーカーや家電があり、電気・ガス・水道メーターもネットにつながり始めている。それらを生産し、流通させ管理する現場にもIoT(モノのインターネット)技術の展開がみられ、農地や牧場でもセンサ等により環境および生育状況が把握・管理されている。医療・ヘルスケア機器もIoT化が進んでいる。

街中のイベント、観光案内、コンサート会場などでもスマホGPSやビーコン(近距離通信)機能等を活用して、催事を盛大にしたり、広告したり、安全を確保したりする。今、コネクテッドカー(つながる車)が台頭し、自動運転技術の実用化が予想されている。が、スマート家電、産業システム、車や社会インフラに至るまで、有用なデータを交換するメッセージングはほとんど閉じられた世界のみで行われている。

常時もしくは何らかの事象が発生するたびにネットを経由してくる、モノ・コト由来の大量データ(ビッグデータ)から有意なデータを見つけ出し、新規ビジネスやサービス等の「情報」とする。あるいは単刀直入に、課金システムのデータをメッセージにしてシェア経済サービス基盤で処理しようとしても、異なるシステム間、異種アプリケーション間でそれが交換できなければ「情報」の活用範囲は限られてしまう。

既存のコンピュータアーキテクチャによる性能限界を打ち破る、"量子コンピュータ"をもってしても、たとえば普段使いのサーバに「このメッセージは受信できません」といわれる――。状況を変える鍵はイベントデータのクロスシステム、そしてそのオープン性にある。

IoT時代にあらゆるメッセージを仲介、利用可能にする


そこで、かつてグラハム・ベルが電信電話を実験し今世紀には量子コンピュータの研究が盛んな地で創業した、イベント駆動型データ連携プラットフォーム・ベンダーSolace Corp. (本社:カナダ・オンタリオ州、CEO:Les Rechan、以下ソラス)は、MOM(メッセージ指向ミドルウェア)という手法によって、システム間で自由にイベントデータを流通させられる「Open Data Movement」を開発。多種多様なデバイス、企業・団体のオンプレミスITシステム、クラウドなど、プロトコルが異なる仕組みの間でメッセージ・ブローカー/ルーターの役割を果たすプラットフォームを実現した。
ソラスの製品を利用して、カナダ証券取引所はクライアントへの高速データフィードを管理。米国国土安全省やロンドン証券取引所、韓国取引所などでも同社の製品が活用され、メッセージング/データ配信が高速かつスマートにされている。日本国内でも金融機関のほかにIoT関連の事例として、会津大学による全国の道路・橋・建物を監視する仕組みの一部ではソラスのアプライアンスにてセンサデータを収集・配信――。
2020年をめどに新交通システムの開発を進めているシンガポールでは、国内全車両への搭載を義務化するGPS付き通信ユニットと、データセンタのIoTシステムとの間でリアルタイム交信を行う。次世代の「ERP-2」にてダイナミックプライシング(高速道路利用料金の可変徴収)や渋滞緩和のための通行制限等を自動化する計画があり、約150万台の車両からの情報はマシン同士をつなぐMQTTプロトコルで送られ、データセンタでJMS(Javaメッセージサービス)として、請求処理を行うという。

IoT時代にあらゆるメッセージを仲介、利用可能にする


ソラスは6月26日都内で会見し、同社のブランドを「アドバンスト・イベントブローカー:Solace PubSub+」に刷新したと発表した。さまざまなデータを蓄える"湖"の源流となる"デジタル・リバー"コンセプトのもと、エンタープライズIT要件にも対応可能で豊富な機能を提供する無償ソフトウェア版「スタンダードエディション」、並びにそれらの機能を"1つのサービスとして"提供する「Solace PubSub+ Cloud」の商用リリース版も併せて発表された。

IoT時代にあらゆるメッセージを仲介、利用可能にする


上記「スタンダードエディション」は無償でありながら業界最高水準の性能――多彩なコンピューティング環境の仮想マシンやコンテナとして、10,000メッセージ/秒、1,000同時接続――を実現していて、その基本機能の試用、小規模アプリ環境で有償サポートを受けながら試験展開、そしてより大規模な本番環境における、最大150万メッセージ/秒かつ200万同時接続の「エンタープライズエディション」へとスケールアウトしていける。
エンタープライズ・メッセージング(1対nのパブリッシュ/サブスクライブ)、永続的キューイング、(口座残高問合せなどでの)要求/応答、ウェブおよびモバイル・アプリへのストリーミング、IoTデータ・ストリーミングなどの基盤となる、月額数千円から利用できるパワフルなイベントブローカー「Solace PubSub+ Cloud」では、AWS、Azure、GCPにてソラスがそれを立ち上げ、顧客は本来のビジネス/業務アプリ、イノベーションに集中できるようにするという。

MQTT、REST、JMS、Websockets、AMQPといったテクノロジーをネイティブサポートしているため、シンガポールの新交通システムのように、適用業務/アプリケーション毎に運営主体が異なるマルチテナント環境において、プラットフォームの統合活用とセキュリティ確保を両立できると考えられる。

ソラスの製品は、圧縮、DR(災害対策)およびHA(高可用性)機能を標準装備していて、さらにTLSによるデータ暗号化、トピックに基づくメッセージのルーティング、ACL(アクセス制御リスト)によるメッセージのフィルタリング制御が行える。
そして今回、各種既存アプリやマイクロサービスのインテグレーションを容易にする、RESTfulアプリケーションのデータを"イベント化"する「Solace Microgateway」も新たにリリース。クライアントの要求に対して、配信済みのイベントを再現する「Message Replay」機能の提供も計画中とのことだ。

カテゴリー: 情報通信   

加藤 賢造

加藤 賢造 (Kato, Kenzo)Author

外資系大手IT企業の立ち上げからフィールドマーケティングやSE、上級管理職などを歴任して、米国スタートアップ(のちにNYSE上場)の日本法人代表取締役を務めたあと、現在、フリーランスコンサルタント兼ライター

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