およそ誰もが目にしていて、実際に触れたこともあるだろう。表が透明プラスチックで裏がアルミ箔の包装シートは、中の錠剤やカプセルをプラスチックの上から押せば、アルミ箔が破れて一粒ずつでてくる仕組みで、それをPTP(Press Through Pack)と呼ぶ。
医薬品容器について、製薬会社では検査装置を用いて品質を保っている。生産ラインを流れる包装シートを画像で自動検出する際、照明の具合、シート・錠剤の位置や向きのわずかなずれによって検品できないことがある。錠剤・カプセルの品種設定は、オペレータがそれらの特徴に合わせて判定基準値や検査範囲の入力を行う。作業は時間がかかるうえに、人の感覚に依る登録値には不規則性が生じるなど、課題があったという。
東芝デジタルソリューションズは、錠剤やカプセルのPTP包装シートの生産ラインで、さまざまな欠陥を高速・高精度で検査する「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」機能強化版の販売を本日から開始する。
同検査装置は、生産ラインにカメラと照明を設置し、画像処理を行うことで、錠剤の欠け・カプセルのへこみ・シートの異物など、さまざまな欠陥を検査するシステム。ここに今回、生産時の照明のばらつきや、撮影画像の位置変動に追従する「自動補正検査機能」と、撮影画像から錠剤・カプセルの形・大きさ・色などの特徴量を測定して良・不良の判定、基準値や検査範囲を自動的に登録する「自動品種設定機能」を搭載した。
"さまざまな不良を同一カメラで検査可能"、"シール前の透過光/反射光一体型検査、シール後の可視光(カラー)、近赤外光一体型検査による省スペース化"、"製造工程・検査対象・内容などに合わせてカスタマイズ可能"といった特長も備えている。「PTP外観検査装置BLISPECTOR®」は、最小構成で1,500万円(税別)、来週開幕の「インターフェックス ジャパン」に出展される。