高速鉄道車両部分構体の試作に成功、高速化と省エネ化のニーズに対応

NEDOとISMAは、ISMAの組合員である8社、再委託先である木ノ本伸線、ミリオン化学と共同で、難燃性のマグネシウム合金を用いて、新幹線車両と同一断面サイズの高速鉄道車両部分構体の試作に成功した。

現在、新幹線などの高速鉄道車両構体には軽量なアルミニウム合金が使われている。しかし、鉄道に対する高速化と省エネ化の要求が増していることを背景に、車両構体の軽量化ニーズが一段と高まっている。

それを実現するための材料としてアルミニウムよりも比重が30%以上小さいマグネシウムが注目され、鉄道だけでなく自動車や宇宙・航空の分野においてもマグネシウム合金を用いた大型構造物の早期実用化が期待されている。

軽いマグネシウム合金展伸材はこれまでに、電子筐体や機械部品などの小型の部材に使用されている。しかし、大型の構造物への適用はほとんど例がない。これはマグネシウムの難燃性、耐食性、成形性などが比較的低いことに由来しているとNEDOでは説明する。

そこでNEDOは、2014年度からマグネシウム合金開発と大型構造物である高速鉄道車両構体への適用技術の確立を進めてきた。NEDO事業において、新構造材料技術研究組合(ISMA)は強度や延性、加工のしやすさを改善した難燃性マグネシウム合金を開発し、2016年度には難燃性マグネシウム合金を使った車両構体の側構体部分パネルを試作した。

今回、より大きな現行の新幹線車両構体と同一断面サイズを持つ高速鉄道車両部分構体(高さ2.9m×幅3.2m×長さ1.0m)の試作に成功したという。この構体は、難燃性マグネシウム合金を使った世界最大級の大型構造物であり、マグネシウム合金製高速鉄道車両構体の実用化に向けた大きな一歩になるとの見解を示す。

ISMAの組合員は、総合車両製作所、川崎重工業、三協立山、権田金属工業、住友電気工業、不二ライトメタル、大日本塗料、産業技術総合研究所ら8社。