災害救助・産業用ドローンにて4K高精細映像を送る

超大容量・多数同時接続・超低遅延を特長とする第5世代移動体通信システム(5G)時代を目前にしている。いま、日本では、産業および社会インフラ、災害時の救命活動などに小型無人機(ドローン)を活用する取り組みが盛んになりつつある。

2つの革新的技術・しくみを融合する。KDDIは、東京大学、トライポッドワークス、プロドローンとともに今月8日、ドローンを活用した設備検査、農業支援、災害救助などのソリューションや撮影サービスなどのコンシューマサービス等の実現に向け、「5G」を用いたドローンからの4K映像伝送実験に成功したと発表。国内初の成功事例だという。

実験は東京大学柏IIキャンパス(千葉県柏市)にて、サムスン電子の5G装置で構築したエリアで行われた。プロドローン提供のドローンに搭載した4K高精細カメラからの空撮映像を、5Gに対応したタブレットを通じてリアルタイムにアップリンク伝送できることを確認した。加えて、上空約150mから安定した4K高精細映像の伝送を可能とした。ドローンの操縦と4K映像伝送支援はトライポッドワークスによる――。

これに先立ちKDDIは産業用ドローンを開発するプロドローンと資本および業務提携していて、今回、両社が進める「スマートドローン構想」すなわち、さまざまな分野でネットワークにつながるドローンが活躍するしくみの一つを結実させた形だ。

そしてこのたびの実験成功により、将来的に、建物や橋梁などの検査や農作物の育成状況の確認などさまざまな分野で、ネットワークにつながるドローンからの鮮明な映像を活用したソリューションの提供が可能になるという。

同社は、「通信とライフデザインの融合」を推進し、"ワクワクを提案し続ける会社"として、5G、IoT(モノのインターネット)をはじめとするさまざまなテクノロジーを活用し、顧客やパートナー企業とともに、新しい体験価値を創造していく構えだ。