QRコードで顔認証、なりすましを防ぐ

IT系デバイスやシステムにあらかじめ記憶させておいた顔写真と、リアルタイムの撮像とを照合してアクセス等を認証する。デジタル時代の顔認証技術は、社会の安全と安心に貢献する。いま、空港等の重要施設や一般のオフィス、コンサート会場などにも導入が進みつつある。

安心安全の実現に向けたニーズの高まりはあるものの、利用シーンはまだ十分に広まっていないという。デンソーウェーブとNECソリューションイノベータが協業――。両社は今回、セキュリティ性が高く偽造や改ざんに強いQRコード®であるSQRC®に顔の特徴データを格納し、顔認証による本人確認を行う「顔認証なりすまし防止ソリューション(SQRC版)」を商品化、ともに7月より販売を開始すると発表した。

'14年にQRコードと顔認証技術の連携を開始し、昨年11月から3カ月間、金融機関で実証実験を行うなどして、ここで得られたノウハウをもとに、同ソリューションで採用したという。SQRCは、1つのコードに「公開データ」と「非公開データ」を埋め込める。見た目がQRコードと同じマトリックス型の二次元符号であり、非公開データは暗号キーを持った専用リーダのみが読み取れる。ルックスが等しいので「偽造・改ざん」を防止できる。

SQRCを用いた今回のソリューションでは、URLなどの一般情報を公開部分へ、顔の特徴データや社員番号などの機密情報を非公開部分に格納することによって、機密情報を秘匿化できる。SQRC対応のハンディターミナル(BHTシリーズ)を使えば、入出庫、検品、棚卸、点検などの業務と顔認証による本人確認を1台の端末で行える。

ネットワーク環境の整っていない場所でも顔認証が可能(オフライン顔認証)、個人情報を端末内に保持しないのでセキュリティリスクが軽減されるという。両社のソリューションは来週、「設計・製造ソリューション展」のNECブースで披露される。