国内初のバイオマスエネ事業施設が香川県に完成!

化石由来の資源に頼らず地球環境を守り、サステイナビリティを高める。再生可能エネルギーの活用は緒に就いたばかりで、その種類はさまざまだ。太陽光や風力、地熱を利用したり、生物体(バイオマス)を燃料としたりする。

日本では、再生エネ固定買取制度(FIT)の開始以来、廃棄物を単に処理・再利用するのでなく、それを原料として発電し、売電収益をあげる事業への新規参入が活発化している。が現状、このビジネス基盤は脆弱であり、事業そのものを持続可能にするには相応の知恵と工夫を要するという。NEDOが「バイオマスエネルギー地域自立システムの導入要件・技術指針」を提示している。

そしてきょう同機構は、上記しくみの実証プロジェクトにおいて、富士クリーンが国内初の縦型乾式メタン発酵施設を備えたバイオマスプラントを香川県の自社敷地内に完成させたと発表した。施設では、生活ごみや食料残渣、家畜糞尿など多様な廃棄物を原料に、3,000立方メートル規模(国内最大)のメタン発酵槽でバイオガスを生成し、同社内に熱電併給することでエネルギーを有効活用する。

排水処理不要などを特長とする縦型乾式メタン発酵施設(栗田工業製)に加え、同じく国内初導入となる廃棄物からバイオマスを高効率で分別・回収する装置(高効率選別装置)をはじめとする前処理設備やバイオガス化設備、ガスエンジンなどのエネルギー変換設備を組み合わせた。バイオマスプラントは、さまざまな産業廃棄物を1日73トン受け入れ可能で、バイオガス生成量は約9,500Nm3/日。

電気と蒸気に変換して実証施設/廃棄物処理施設内の回転機器などで活用する。ガスの生成過程で排出される発酵残渣は、既設焼却施設の補助燃料として利用――。これにより、埋め立て処分量が減少かつ処分場の延命化を図れるとともに、焼却炉燃料の削減が可能となる。今回のバイオプラントは試運転の後、10月から実証運転が始まる。