あらゆるモノがネットにつながる「IoT」からのビッグデータを人工知能(AI)で分析して、有意な情報に変える。生産現場はいま、産業用ロボットなどによる自動化(FA)から、さまざまなデータ活用を軸にした新たな自動化の時代を迎えつつある。
技術革新を「第4次産業革命」という。諸外国だけでなく、日本でもこの新しい波は強く意識されていて、内閣府がその意味を解説し、経済産業省が「新産業構造ビジョン」を提示している。そして今日産業界において、「新たな産業自動化革命の実現」を2025年ビジョンに掲げている安川電機は、次代のものづくり現場を支援する「YASKAWA Cockpit(YCP)」を製品化したと発表。
FAにデジタルデータ管理を加えたソリューション・コンセプト、「i3-Mechatronics」のもとで今回提供する、YCPは、同コンセプトの中核となるソフトウェアツールであり、生産現場の設備や装置をYCPに接続することにより、必要なデータを収集・蓄積し一元管理することができる。生産現場の状態監視・診断、故障予知、機器の異常診断、品質不良検出など、データを活用したソリューションで顧客のものづくりの進化をサポートするという。
上位システムとの連携により、生産現場の稼働データを分析――発生した問題の要因特定や各工程における不良の分析などにAI技術を活用し、生産管理へのフィードバックができる。さらには、顧客が必要とする機能をアドオンできる仕組みをサポートしていて、同社が提供する機能だけでなく、顧客自身でノウハウや経験を生かしてアプリケーションを作成し、追加することにより、様々なニーズに沿った柔軟なソリューション構築が可能となる。
YCPは標準通信規格OPC-UAに対応していて、上位にあるERP(統合基幹業務システム)やMES(製造実行システム)、ビッグデータサーバとのデータ連携が行える。