画像のディープラーニングにて、物体検出と距離測定をリアルタイムに

超スマート社会(Society5.0)をめざす日本でも人工知能(AI)の活用が進んでいる。向こう100年は不可能と言われていた囲碁で最強クラスの棋士に勝利したAI技術のひとつディープラーニング(深層学習)が、この流れを加速している。

生産ラインでもの作り品質を見分けたり、流通倉庫の仕分ラインで商品の状態を確認したり、雑踏の中や管理区域で人物を特定したり――。画像解析および認識技術は、ロボットや先進運転支援システムにも活用され、これから始まる自動運転時代に欠かせないテクノロジーとなる。

近年、AIによる映像・画像解析や、ディープラーニングによる人に近い視認性を持つ画像認識技術は、周辺環境の安全性把握や障害物検知をはじめ様々な分野で実用化されている。そしてそのしくみにリアルタイムの応答性能が求められているという。日立超LSI は、独自のディープラーニング技術とソフトウェアライブラリを基盤にした画像認識ソリューションを本日より提供する。

単眼カメラとDNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)により高速に物体検出が可能となる。同ソリューションは、「物体検出ソフトウェアライブラリ」と、検出物体までの距離を推定する「測距ソフトウェアライブラリ」を備えていて、検出画像を俯瞰画像に変換し、物体までの距離を推定。標準機能で自動車(一般車両、バス、トラックなど)、人物、白線を検出し、追加学習サービスにより他の検出希望物体も検出可能になるという。

並列処理技術と高速エッジコンピューティング技術を融合したライブラリ、固定カメラで検出した物体までの距離を推定するライブラリを併用することにより、リアルタイム性能が要求される工事現場、工場、オフィス、交差点等で安全性を確保する。監視システムなどのアプリケーション開発を支援するいう。しくみは「産業とくらしのグランドフェア2018」の関東・関西会場で披露される。