製造現場のKPI、まとめて見える化

定量化の難しいプロセスなどについて、核となるだろう数値目標を明示することにより、ビジネスの現状を知り、その測定結果を成長戦略に活かす。主要業績指標KPI(Key Performance Indicator)を取り入れる動きが、IT(情報技術)の発展とともに世界で広がり加速している。

大量のKPI関連データを迅速に処理することにより、たとえば顧客満足度を新しい製品やサービスの投入につなげる――。処理は年単位でするよりも月次、日次で行う方がダイナミックに目標を調整でき、成功度合いを高められる。製造業における生産効率の向上、生産設備の稼働率や性能、サプライチェーンと連動する"ジャストインタイム"の生産管理もKPIによって測定され、可視化されてこそ、勝ちを引き寄せる次の一手が打てる。

グローバル競争の激化と顧客ニーズの多様化により、多品種少量生産においても、大量生産並みの高い生産性を実現するマスカスタマイゼーションへの対応が求められている。日本では、労働人口の減少を背景に、限られた人材を有効活用するニーズも高まっているという。

日立製作所は、板金加工機械メーカーのアマダと、工場における生産からサプライヤーも含めたバリューチェーン全体の最適化に向けた協創を開始。その第一段階として、アマダの主力生産拠点(富士宮工場)にて日立のIoTプラットフォーム「Lumada」を活用した先進モデルを構築――これにより、モノづくりの革新を実現するとともに、アマダの他の国内外の工場への適用拡大をめざすと発表した。

今回、長年蓄積したモノづくりのノウハウを融合する両社は、工場の「今」の課題を見える化し、付加価値の高い生産を実現していくアマダの「V-factory」と、日立の「Lumada」を連携させて、生産の最適化から、現場のKPIを一元的に見える化する製造ダッシュボードまでの高度な生産システムを創出するという。