新たなアルミ材料とプロセス技術を生み出して世界を変える

熱の伝わりやすさが銀・銅・金に次いで4番目に高い。アルミニウムは鉄の約1/3の比重で軽くて丈夫。加工しやすく、毒性がないうえにサビなど腐食耐性に優れている。

電気をよく通し、低温になるほど強度が増す――などといった特性から、1807年の発見以来、さまざまな分野で活用されている。

我々一般人にも1円硬貨や飲料ボトル、窓サッシや車のホイールとして馴染み深い。電車のほかに、高嶺の花のスポーツカーには総アルミボディを謳うものもある。近未来の電線は銅からそれにかわるだろう。

アルミニウムは非鉄金属の優等生であり、世界中の人気者だという(「アルミの基礎知識」)。グローバルアルミニウムメジャーグループのUACJと、産業技術総合研究所はきょう、産総研中部センター内にアルミニウム先端技術連携研究ラボを設立した。これにより、材料・化学領域における産総研の多様で高度な技術シーズと、UACJの研究開発ポテンシャルを結合させる。

「UACJ-産総研 アルミニウム先端技術連携研究ラボ」では、先端技術開発の推進だけでなく、既存の技術課題に対する新たなアプローチや新規技術探索を通してアルミニウム産業の発展に貢献することを目指すという。アルミニウムは高い熱伝導率や比強度、低い電気抵抗、酸素バリア特性やリサイクル特性など、多くの工業的に優れた特性を有し、幅広い産業分野での展開が期待されている。

特に近年、環境負荷低減のため、輸送機器の軽量化を目的にした材料として世界的に注目され、自動車での利用が拡大している。アルミニウムについて、その総合的な研究ポテンシャルと日本最大の製造販売実績を有するUACJと、同社の様々なニーズに適合する多種多様な技術シーズ、および新材料と材料プロセス技術ついての高いポテンシャルを有する産総研が連携して研究を進める。

同ラボにおいて、両者は、革新的なアルミニウム材料やプロセス技術を実現する構えだ。