AIを活用した食品工場レイアウト自動作製エンジニアリングツール

日立プラントサービスは、人工知能(AI)技術を活用し、食品工場内のレイアウトを自動で作製するエンジニアリングツールを開発し、実案件への適用を開始した。レイアウト設計業務を約50%効率化し、ニーズや運用に合ったレイアウトを定量的かつ短期間で提案する。

ツールの開発においては、熟練技術者の設計ノウハウをレイアウトの要素ごとに項目を分けて標準化し、評価点として数値化。また、ツールの核となる部屋の組み合わせを最適化するアルゴリズムには、AIの一つとされる遺伝的アルゴリズムを改良して利用した。

日立プラントサービスによると、同ツールを適用することで「原料・製品動線」、「適切な衛生区画」、「作業員動線」、「副資材、廃棄物の動線」など複数の条件を最適化する組み合わせを高速でパターン解析できるという。

さらに、各条件の優先順位を考慮したレイアウトを複数作製し、それぞれの評価点を表示できることから、定量的な評価・選定を可能にした。条件さえ入力すれば、レイアウトの検討は自動で行うため、日立プラントサービスでは、複数のレイアウト案を並行して検討する場合、工場レイアウト設計業務を約50%効率化できると想定する。

また、食品メーカーは、工場建設の計画段階でニーズや運用に合った複数のレイアウトを定量的かつスピーディーに評価・選定できる。玄関や階段の位置など周辺施設や既存設備も含めて適用できることから、来客動線などのこだわりや従業員の入退出管理なども考慮できるとともに、既設工場の改修にも適用が可能。さらに敷地の形状ごとにレイアウトを作製することが容易なため、土地の選定にも活用できるという。