店の警備にAI、デジタルシステムの眼が窃盗を未然に防ぐ

カンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞した、是枝裕和監督の『万引き家族』が近日公開予定だ。それにしても店の経営を傾けるその犯罪(窃盗罪)は、21世紀の社会でも一向になくなる気配がなく、ドキュメンタリー番組などでも度々取り上げられている。

万引き犯を英語では"Shoplifter"というから、それは万国共通の問題なのだろう。

日本においてその被害推計額は、年間4,000億円以上。小売業界にて大きな経営課題となっている。万引きは財務面で経営を圧迫するだけでなく、万引きを防止するための人員の配置など、店舗の業務負荷を増やす一因でもあるという。NTT東日本と、行動検知AI(人工知能)技術を保有するアースアイズは、業務提携し、最新型AIカメラによる万引き防止サービス「AIガードマン」を来月下旬から提供すると発表した。

AIの活用により小売業界における万引き被害の削減と、店舗業務の効率化を推進することを目的に提携した。両社は、アーズアイズが全国規模で万引き防止システムの販売、施工、保守運用をワンストップ展開できるパートナーを探していたところへ、ネットワークサービスで培ってきた技術力や運用ノウハウをAIやIoTなど新しい技術に応用したサービスにより、社会課題の解決に取り組んでいるNTT東が現れたという。

背景から生まれた「AIガードマン」は、自律的に動くAI搭載カメラが来店客の不審行動(うろうろ、きょろきょろなど)を逃さず検知し、パターンファイルを蓄積しているAIクラウドから店員がもつスマホに検知情報(検知場所、静止画など)を通知する。情報を受けた店員が不審者に声がけすることで、万引き防止に活用できる。

通常の防犯カメラでは店員や警備スタッフによる映像確認を要するのに対し、人間の代わりに「AIガードマン」が不審行動を監視することで、"Shoplifters"への効率的な声がけが可能になるという。