作業現場のリスク管理にIoTプラットフォームを活用

倉敷紡績(クラボウ)繊維事業部は、シャツ型スマート衣料「Smartfit(スマートフィット)」を使用し、暑熱環境下における作業リスク管理を支援するシステム「Smartfit for work」を開発した。建設業や運輸業、製造業などの企業向けにサービスを提供するにあたり受注を開始した。

Smartfitは、導電性繊維と生体センサーを用いて、着用者の生体情報を取得・送信できるコンプレッションインナータイプのシャツ型スマート衣料。信州大学繊維学部と共同開発した。

今回開発したSmartfit for workは、Smartfitから取得した作業者の生体情報(心拍数、温度、加速度)をスマートフォン経由でクラウドサーバに送信し、作業地域の気象情報を融合した解析アルゴリズムで暑熱作業リスクをリアルタイムに推定し通知する。

また、作業者の日々の体調変化を推定して通知。自動学習(AI)機能により過去の個人のデータを踏まえた体調の変化が把握できるため、暑熱作業リスク情報との併用でより精度の高い作業管理などに役立てられるという。

通知できるリスク情報は「暑熱作業リスク」「体調変化」「転倒転落」など。暑熱作業リスクでは、熱ストレスと作業強度をもとに作業者の暑熱環境下における作業リスクを3段階に推定・区分する。体調変化では、心拍指数と体力指数をもとに作業者の体調変化を3段階に推定・区分する。転倒転落は2018年8月に提供予定で、加速度データにより作業者が転倒・転落状態にある可能性を判定する。

初期設定費用と月額利用料でサービスが利用いただけます。初期設定費用は、1ユーザー3万円(税別、以下同)。月額費用は1ユーザー6,000円となっている。建設・運輸・製造業などの企業向けにサービスの提供を開始し、今後はスポーツ分野や屋外大規模イベントでの活用、また学校での活用や高齢者の日常生活における暑熱環境下でのリスク対策に向けた取り組みを進める予定。