ものづくりIoT、人の動きなども可視化してQCDアップ

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の導入が進む。昨今、製造業におけるそれは主に生産設備を対象にしていて、設備稼働データの収集と可視化、そしてその分析結果のフィードバックを目的にしている。しかし生産ラインには、設備機器だけでなく、作業者がいて、製品の流れというものがある。

これまで生産現場では設備、作業(人)、製品を進捗や保全といった業務目的ごとに管理していたため、工場の実態を統合的に把握するには多くの時間やコストがかかっていたという。CECはこの分野において、設備・人・モノのIoTデータを可視化し、生産現場のQCD(品質・コスト・納期)向上と迅速な意思決定を支援するシステム構築サービスを、「Visual Factory」として来月より提供開始すると発表した。

同サービスにより、
「生産管理板・設備点検表・品質管理簿など工場には様々な情報が点在しているが、それら情報がデジタル化されていない、または統合的に可視化する手段がない」
「SCADAで設備停止状態を把握できるが、復旧のためにとるべき行動を決められない」
「組立・物流作業は自動化されていないことが多く、設備IoTだけで生産現場を把握するのは困難」
といった課題に対し、総合的な可視化で応える。

「生産阻害要因の真因追求」、「計画外の事象に対する生産現場での迅速な意思決定」を支援し、「ものづくりのQCDの向上」に貢献するという。Visual Factoryは、次のような機能および特長を備えている。

・ 国、地域を超えたグローバルな生産拠点を、工場・ライン単位で可視化(あんどん、ダッシュボード)
・ 設備や品質のロスを可視化・効率を評価(設備総合効率・OEE)
・ 設備・人・モノのIoTデータを活用し、計画外停止の要因を把握(マン-マシンチャート)
・ 品番・工程ごとに製品の品質データを可視化し、不良発生要因を特定(品質データ管理)