それは産業分野の様々な活動で生み出されるデータ群のうち、特に工業製品の工学的知見が関係するものを指す。大量データの分析結果においては、商業マーケティング向けのそれよりも誤差に厳しいことも特徴だという。
米国シンシナティ大学名誉教授が『インダストリアル・ビッグデータ-第4次産業革命に向けた製造業の挑戦』で提唱した概念では、データ分析において、単なる統計的な相関だけでなく、物理的な原理と特性を踏まえたデータの特定性や関連性、時系列性など特有の要件が求められているという。
予知保全の世界的権威が創業メンバーの米国プレディクトロニクス社を関連会社としている、ISIDはきょう、「インダストリアル・ビッグデータ」コンセプトの下、故障予知に特化したビッグデータ分析プラットフォーム「PDX」の提供を、日本国内の製造業向けに開始すると発表。その第一弾として分析ロジック作成ツール「PDX SANDBOX」を来月より、そしてその他ツール群も順次販売していくとした。
PDXは、故障予知分析に要する製品・設備の稼働データ収集、企業ごとの製品種別やニーズに応じた分析ロジックの作成、分析結果の可視化まで、一連のしくみをノンプログラミングで実装可能にし、高精度な故障予知システムの構築を効率的に実現する――。データ収集ツール「PDX DAQ」、分析ロジック作成ツール「PDX SANDBOX」、ウェブGUIでの可視化ツール「PDX DEPLOY」で構成されるスイート製品だ。
そして今回、インダストリアル・ビッグデータ・ソリューションの初弾となる「PDX SANDBOX」は、専門知識を要する複雑な分析システムを容易に構築できるといった特長のほかに、豊富な知見に基づいて実装された分析モジュール群も備えていて、実行結果を即座にグラフ化し、設定パラメータの妥当性をその場で確認しながら調整していくことも可能にするという。