京セラの技術をEVに搭載したコンセプトカーを開発、GLM

GLMは京セラと共同で、京セラの最新技術をGLMのスポーツタイプのEV「トミーカイラZZ」に搭載したコンセプトカーを手掛けたことを発表した。両社の協業は今回が初めてとなる。

コンセプトカーには、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)への活用が期待される、高精細なカメラや液晶ディスプレーのほか、セラミック技術を応用した超薄型スピーカー(ピエゾスピーカー)や、電流で冷却・加熱の温度制御が可能な半導体素子(ペルチェ素子)を用いた温度調整装置(シート温調やエアコンに使用)など、京セラ独自の12種類のデバイスやシステム、素材を実装している。

サイドミラー・ルームミラーには、電子ミラーを装備。高感度の車載用カメラで撮影した車両後方の映像を車室内のモニターに映し出す。また、前後左右4台の魚眼レンズのカメラが撮影した車体周辺の映像を合成し表示するサラウンドビューカメラや、高精細液晶ディスプレーに内蔵したカメラで運転者の視線の動きを認識し、よそ見運転などを警告するDMS(ドライバーモニタリングシステム)など、ADASを見据えた計9台のカメラとそれと連動するシステムを実装した。

その他、パネルを指でタッチした際に微細な振動で立体をクリックしたかのように伝える触覚伝達技術「HAPTIVITY」を搭載したディスプレーや、セラミック技術を応用した高音質なピエゾ(圧電)スピーカー、装飾用に開発された人工オパールなど京セラの技術を組み入れている。

GLMは、完成車事業や、部品・素材・化学・ITメーカー等の自動車関連事業の技術・開発支援、自動車メーカーのEVの量産・研究開発支援を展開するプラットフォーム事業に注力する事業方針を2018年3月に発表している。今回の協業は、そのプラットフォーム事業の一環に位置づけられる。