KDDIは、2018年5月8日、無人自動運転車の遠隔制御の実現に向け、次世代移動通信システム「5G」(以下、5G)の周波数帯候補である4.5GHz帯を用いた車両からの4K映像リアルタイム伝送実験に成功したと発表した。
この実験では、東京都新宿区内に構築した4.5GHz帯の実験エリアにおいて、運転席に設置した4K高精細カメラからのフロントビュー、バックミラー、左右のサイドミラーに設置したフルHDカメラ3台の計4台の映像情報のアップリンク伝送に成功したという。従来の28GHz帯(帯域幅800MHz)に加え、4.5GHz帯(帯域幅100MHz)でも大容量情報を安定して送信できることを確認した。
これにより、無人自動運転車の遠隔制御において、5Gの高速・大容量伝送を活用することで、高精細な映像を通じてより遠くの人物や障害物などの動的情報を識別し、迅速に判断・制御することを可能になる。
無人自動運転車が安全かつ安定的な走行を確保するためには、走行状態の遠隔監視と、危険が生じた際に遠隔で制御できることが重要となります。
無人自動運転の実用化に向けた取り組みとして、KDDIは2017年12月にアイサンテクノロジー、ティアフォーと共同で遠隔制御型自動運転システムを用いて、全国初の公道における無人自動運転車の遠隔制御に成功している。また、今回の実証実験ではエリクソン・ジャパンの5G実験装置を使用している。