金属3Dプリンターで狙いどおりの形状をつくる、支援ツール登場

コンピュータを用いた3次元設計(3D CAD)、それと同様のデータを使って製品や部品等を直接造形する。3Dプリンターは、新たなもの作り装置・技法として世界的に注目されている。

日本ではおよそ7年前から、経済産業省が中心となって「新ものづくり研究会」を開催し、それを生産性向上に資するだけでなく、精密な工作機械と位置づけて人工骨や臓器モデルなどの製造、多彩な人々の斬新なアイデアを具現化するツールとしても活用すべく――現在、様々な取り組みが行われている。工作機械としての、3Dプリンターの経済波及効果は、'20年に約21.8兆円と予想されている。

家庭およびアトリエ用3Dプリンターにおける造形材料は樹脂が主流。だがエンジニアリング業界においては、金属3Dプリンターも必要とされ、これが急速に普及し始めている。しかしながら、金属3Dプリンターで狙った形状を造形するためには、製造装置ごとの造形方法を考慮したり、サポート材除去後の変形や熱処理による形状の歪みなどの不具合に対処したり、課題があったという。

サイバネットはきょう、米国ANSYS社のシミュレーションソフトウェア「ANSYS®Additive Print™」と「ANSYS Additive Suite™」の販売および技術サポートを開始すると発表した。

ANSYS Additive Print/Additive Suiteは、最も一般なレーザー粉末床焼結方式(PBF)に対応していて、模擬試験を実施することで上記のような不具合を事前予測できる。これにより、トライアンドエラーを大幅に削減し、金属3Dプリンターの造形にかかるコスト削減、納期短縮を実現する。歪みの自動補正機能により、狙い通りの形状を造形でき、サポート材生成機能により造形過程における不良を防止する。

空隙率の予測やミクロ構造解析などの機能追加も予定されているという。