つながるクルマの技術、レーシングカーからのネット映像配信を可能に

それは来る自動運転時代にも必須のテクノロジーとなる。情報のリアルタイム通信、走行車両からの高精細動画を収集し分析する、システムの技術基盤は第5世代移動体通信方式(5G)であり、高速・大容量、超低遅延、多数接続といった機能により、まもなくコネクテッドカーを発進させる。

日本では昨年総務省が「5G総合実証実験の開始」を宣言し、2020年をめどにそれを実用化する様々な取り組みが、関係各社によって今も実施されている。5Gのシステムでは例えば、移動体からの大容量かつリアルタイムな映像配信が可能となるため、走行車両から送られた映像が集められ、移動体での監視や情報収集など、さまざまな用途に活用されることが期待されるという。

OKIは、NTTドコモと共同で、時速160kmで走行中の車両において、広域エリアの映像モニタリングが可能なシステム「フライングビュー」のフィールド実験に成功したと発表。上記5G活用の道の1つとしてモータースポーツの新しい観戦スタイルの実現を取り上げ、ドコモの協力のもと、富士スピードウェイを高速走行する車両でその可用性を確認したという。

今回の実験で使用した「フライングビュー」は、4台の車載カメラと映像合成部で構成――。カメラ映像の合成は、映像処理能力の高いFPGA(現場でプログラミング可能な半導体チップ)上で行うことにより、リアルタイムかつ小型省電力のシステムでの大容量高画質の映像処理を実現し、走行中車両の全周囲で、リアルタイムで死角のないシームレスな広域エリア映像が得られる。

周囲監視や操縦支援、景観鑑賞など、多様な分野へ適用可能となる。取得映像は、タッチスクリーン操作により、ユーザーが俯瞰する視点を3次元的に360度リアルタイムで任意に変更でき、あらゆる角度から自車両の全周囲映像モニタリングが行えるため、臨場感あふれる映像やストップ画面での鮮明な画像の確認ができるという。