MS&ADインシュアランスグループホールディングス、MS&ADインターリスク総研と東京大学、芝浦工業大学は「気候変動による洪水リスクの大規模評価(LaRC-Flood)」プロジェクトを開始した。
近年、世界の平均地表気温は上昇しており、産業革命前と比較して1℃程度高いレベルに達している。今後、気候変動がさらに進行することにより、世界的に洪水リスクが高まり、企業経営にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
MS&ADインシュアランスグループでは、保険会社として自然災害への対応と防災減災への取組を推進。特に、気候変動に関しては、長年グループ全体で取り組んできた課題であり、未来のあるべき社会の実現に向けて、産官学連携を通じた社会的課題への解決に注力している。
一方、芝浦工業大学工学部の平林由希子教授、東京大学生産技術研究所の山崎大准教授は、2013 年に将来の世界の洪水リスクの変化を推計し、「気候変動に関する政府間パネル第 5 次報告書(IPCC-AR5)」においてその成果が紹介されるなど、本分野について多数の実績を有している。今回開始したプロジェクトでは、四者が共同で、気候変動による洪水リスクへの影響評価の研究および研究成果の社会への還元を目指し、以下の取り組みから着手する計画としている。
平林教授、山崎准教授等による2013年の研究について、企業担当者などが気候変動リスクを把握するための参考情報として、その成果をweb-GIS(地理情報システム)で閲覧できるようにした。
気候変動と洪水リスクの関係を明らかにすることを目的とし、アジアの大河川を対象に、過去の洪水の発生確率に関する温暖化の影響を広域かつ定量的に評価する。本研究はMS&ADインターリスク総研、東京大学、芝浦工業大学の三者によって既に進行中だという。