AIによる生活習慣病の発症リスク予測、保険商品・サービスと連動へ

ふた昔前、高血圧症などを成人病といった。だがそれらの発症は成人に限らないため、不適切な嗜好品の摂取や生活の習いが招く病気すべてを含めて、1997年から「生活習慣病」と呼ぶようになった。

この国では今、健康寿命の延伸をめざし多様な取り組みが行われている。特に生活習慣病は、医療費の増大や組織の生産性低下などをもたらす社会問題となっていて、発症予防に向けた個人の生活習慣の改善や、健康リスクの把握が求められているという。

NTTデータとNTTはきょう、AI(人工知能)関連技術"corevo®"の1つである生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)の発症リスク予測技術の保険業界での活用に向けて、保険会社の商品開発や加入時の査定、加入後の健康改善などにおける有効性を検証するため、無償トライアルに賛同する保険会社を来月末まで募ると発表した。

健康診断における検査値データ、問診結果などを活用して高精度なリスク分析を行う。継続的に受診していない場合の抜け漏れや、一定期間のみ受診結果を保有している場合、数少ない疾病の発症を扱う場合の少量サンプルなど、不均質あるいは希少なデータであっても、未発症者のデータも用いたランキング学習を行い、健診データをもとに発症リスクを予測する。

今回の発症リスク予測技術は、NTTデータが提供するヘルスデータバンクの一部利用団体における健診データ分析事業(約10万人×最長6年分)に適用された実績があり、高い予測精度(ROC AUC≧0.9)が得られることを確認しているという。

同技術の試用環境はNTTデータが提供する。保険会社からの申込受付後に、双方で検証計画を刷り合わせ、保険会社の準備する検証用データをNTTデータで預かり、予測技術を適用し、予測結果を保険会社に返却する。

上記予測結果に基づき、両社は、技術の有効性や導入へ向けた課題などを保険会社とともに検証するという。