稲作の低コスト・高品質化に向けた実証実験、新潟市ら

新潟市と井関農機、ヰセキ信越、スカイマティクス、国際航業、ウォーターセルは、各企業が有する革新的技術を組み合わせ、スマート農機やリモートセンシングで得られた情報を、営農支援システム「アグリノート」に集約し一元管理することで、稲作の省力化や低コスト化、高品質化に向けた定量的評価を行うことを目的に、実証実験を開始した。

新潟市は2014年5月に国家戦略特区に指定されて以降、規制緩和を活用した事業に加え、革新的技術を有する大手企業や農業ベンチャーと連携し、複数の実証プロジェクトを立ち上げるなど、国内最先端のICT農業を積極的に進めてきた。しかし、得られた情報の一元管理や取組みの成果の可視化が難しく、大きな課題であった。

プロジェクトでは、各企業が有する革新的技術を組み合わせ、クラウドで一元管理して「結果の見える化」を実現することを目的に、データに基づく水稲の栽培管理を実証する。モニターはアグリノートのアクティブユーザーである米八で、作付品種は、2017年本格栽培が始まった新潟県の新品種「新之助」。

実証区と慣行区を設け、実証区ではスマート農機やリモートセンシングなどの最先端技術を投入するとともに、収穫後に収量や品質等について、慣行区と比較検証する予定。事業期間は2年で、事業1年目に農業情報の一元管理・見える化(オープンイノベーション)、事業2年目に農業情報を基にした農業経営支援(商業ベースでの機能強化)に取り組む計画。