超高発熱ICTラックに対応した空調機

NTTファシリティーズは、Stulzと共同で開発した超高発熱ICTラックに対応した空調機「CyberAir リアドア型」の販売を開始した。空調機は、ICTラックの背面に取り付け、超高発熱・大風量というGPUサーバの運転特性に合わせた仕様とすることで、超高発熱のICTラックの冷却に対応する。

CyberAirリアドア型は、サーバから排出される高温空気を直接冷却する構造のため、高い発熱処理能力を有する。壁際に設置された空調機からの冷気で冷却する従来の空調方式では、1ラック当たり10kW程度が冷却の限界と言われているが、CyberAirリアドア型は1ラック当たり20~30kW程度の発熱を伴うGPUサーバ搭載ラックの冷却にも対応する。

CyberAirリアドア型は、GPUサーバが必要とする大風量に対応するためにファンを搭載するとともに、実測結果を考慮したファン選定や冷却コイルの設計を行うことで、GPUサーバの運転に適合する空調機を実現している。

ICTラックからの排気が集まる空間の一部を閉塞することで空気の混合を促し、空調機故障により一部のICTラックからの排気が冷却されない場合でも、高温の排気が直接サーバーの吸い込み側に戻ることを回避する。

CyberAir下吹型、壁吹型、リアドア型を、水冷空調機「CyberAir」シリーズとして展開を強化し、リアドア型単体で今後5年間で、5億円の受注を目指す。

近年IoT(モノのインターネット)の進展や、AI/ディープラーニング(深層学習)を活用したビッグデータ解析などのサービス需要が高まる中、データセンターでは非常に高い処理能力を持つサーバが求められている。このような背景の中、導入が進んでいるのがGPUサーバ。GPUサーバは飛躍的に処理能力を高められている一方、発熱量も増大することから、冷却手段の確保が大きな課題になっている。