セキュアIoT、広がる脅威をデバイスで遮断

スマートハウスやタウンといって、スマートフォンを持った人だけでなく、さまざまなモノもネットにつながり始めた。今、つながる車時代を目前にして、監視カメラのハッキング事件などが起き、サイバー攻撃に対する備えがあらゆるモノに求められつつある。

いまでも先進型の建物や車のドア錠はスマホで解除できるし、これからは家の照明がIoT技術によってコントロールされるように、町の街灯がネット経由で点灯消灯される。信号機だって、よりいっそう遠隔制御が進む。電力は散在する小型電源や電気自動車などを仮想的に集約して供給される。つまり、日常世話になるあらゆるモノがPCのようにIT(情報技術)デバイス化し、サイバーセキュリティ対策を必須とする、時代がもう来ている。

そこできょう、英Arm社は、拡大する物理的脅威からIoTデバイスを保護する、新たなプロセッサIP(知的財産)を発表した。

今回のハイライトは、改ざん防止技術と強力なソフトウェア分離を組合せた初のCortex-Mプロセッサー「Arm Cortex-M35P」、電力および電磁気分析込みで近接サイドチャネル攻撃を高次で防ぐ、広がりつつある物理的な脅威に対する「拡張セキュリティIP保護」、Armパートナーの新規IoT提案におけるフレキシブルで強力な物理的セキュリティを実現する「新しいIP一式」の3つだ。

2035年には1兆個のモノがつながるとの見通しのもと、昨年マニフェストを公表した同社は、IoTセキリティは「もはやオプションではない」という。それはその仕組み全体での対策が要求される、数十億の多様なデバイスによる多面的な"ひとつの"問題であり、この多様性が同社のパートナーに挑みかかっている。ゆえにSoC設計者らが、増え続けるアプリケーション群においてデバイスレベル高次のセキュリティ保護を実現できるよう、今回の発表に至ったという。