LPガスメーターデータ収集の大規模な実証実験、名古屋市で

ミツウロコクリエイティブソリューションズ(以下、ミツウロコCS)、日本電気(NEC)は、LPガスの配送業務効率化につながるNECの「LP ガスメーター指針値提供サービス」を利用した大規模実証を愛知県名古屋市周辺で実施する。

LP ガスメーター指針値提供サービスは、ミツウロコCSの全面的な協力を得てNECが開発。全国のLPガス事業者・配送事業者向けに2018年夏から提供するもので、各消費者宅のLPガスメーターに「LPWA対応IoT無線化ユニット」を設置し、通信網に京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が提供するIoT向けのネットワーク「Sigfox」を主に利用する。LPガスメーターの指針データを遠隔から網羅的、高頻度、低コストで収集できるサービスだという。

これまでLPガス配送事業者は、月に1~2回人手で取得するLPガスメーター指針値や過去のガス消費実績からLPガス容器内のおおよそのガス残量を予測し、LPガス容器の配送計画を立案していた。

多くのLPガス配送事業者は消費者宅に2系統(供給側の系統と予備側の系統)設置してあるLPガス容器を交互に交換し、おおよそのガス残量予測による配送で生まれる非効率な部分を許容することでガス切れのリスクを回避していた。

今回の実証は、日次で取得した指針値により、LPガス容器内のガス残量を正確に把握し、配送業務効率化と物流コスト削減の具体効果の測定とエビデンス獲得を目指すもの。

LPガスメーターに設置したNECの無線化ユニットによりLPガスの指針データを自動取得。取得したデータはKCCSのSigfoxを介してクラウド上に収集・蓄積。また、双方向通信可能な他のLPWA網を利用し収集するデータも、同様のクラウド上に蓄積する。ミツウロコCSは、遠隔取得したLPガスメーターの指針情報でLPガス消費者のガス消費量を日次で把握・管理し、保安面の要件にも対応する。

ミツウロコCSは、日次で把握・管理可能となったLPガス残量から、消費者宅へLPガス容器を配送する上で最適な配送計画を構築する。その際、LPガス容器の交換は、各消費者宅に設置してあるLPガス容器内のガス残量が供給側と予備側の両側とも減った段階で全量交換を実施する。これにより、配送回数を最大50%近くまで削減し、配送業務の大幅な効率化が期待できるという。

ミツウロコCSは、本実証にて配送業務効率化と物流コスト削減の具体効果を測定し、そのエビデンスを獲得する。また配送現場での課題を抽出し、ノウハウとして蓄積することで、他のLPガス事業者に対する本サービスのより効果的な活用方法や、配送業務の効率化・物流コスト削減に向けたコンサルティングサービスにも活用していく予定。