公共安全ソリューションの共同実証実験をラスベガスで実施
NTTグループは、デルテクノロジーズとともに、米国ラスベガス市内における公共安全ソリューションの共同実証実験を開始する。
クラウドやNWサービスに加え、ユーザーのICTリソースを含めた構築・設定および管理・運用を、一元的に実施できる仕組みである「コグニティブ・ファウンデーション」を含む、複数センサーから取得した情報に基づく先進的な分析を活用する共同実証実験を実施。次世代に向けた高度な公共安全ソリューションの提供を目指す。
共同実証実験は、2018年9月に開始する計画。NTTグループは、デルテクノロジーズとともに共同実証実験後の2018年冬をめどに、米国を含む世界の都市向けに本ソリューションの商用展開を開始する予定だ。
近年、都市部での犯罪や災害などが増加する中、多くの人が集まる市街地やイベント会場などにおいて、群衆の動き、交通状況、緊急事態の発生等を把握し、市民の安全を守ることは、自治体や警察、消防などの関係当局にとってますます重要になっている。
特に、関係当局における初期対応時間の短縮を実現するためには、複数センサーの配置による迅速な状況把握に加え、事件性の高いインシデントを事前に予測・分析することが、公共安全ソリューションに求められている。
実証実験において実証するポイントとしては、「コグニティブ・ファウンデーション」「プロアクティブ・レポート(トレンド分析)」「リアクティブ・レポート(エッジ検知)」の3つを掲げる。
コグニティブ・ファウンデーションでは、マルチドメイン環境における迅速なICTリソースの配備と最適なICTリソース構成を構築する。具体的には、センサーに近い場所にあるマイクロデータセンター(エッジ)、ユーザーのデータセンター(コア)に分析環境を配置する。
プロアクティブ・レポートでは、タイプの異なる複数のセンサーから集められたセンサー情報を集約し、群衆の動きや量、交通状況、周辺での事件性の高い音声等の情報に加え、気候データやSNS情報などを総合的に活用する。NTTグループのAI技術「corevo」を活用したトレンド分析により、事態の深刻度や事件性の有無を予測分析する。
リアクティブ・レポートでは、センサー付近に配置されたマイクロデータセンターにおいてAI技術を活用。群衆の動きや量、危険車両の動き、顔認証や画像解析による指名手配犯や盗難車両のリストとの一致有無、銃声や叫び声など事件性の高い音声といった周辺状況を常時監視し、センサー付近(エッジ)で検知することで、インシデント発生後の迅速な検知と当局への通報を可能にする。