物流IoT、ドライバーの事故リスク排除に向けて

近ごろ都市間を結ぶ高速道路をマイカーで走っていると、数珠つなぎになった大型車両をよく目にする。

深夜でも早朝でも、車列は果てしなく、それぞれ我々消費者が「ポチッ」とネットショッピングしたり、引っ越しをしたり、企業や市場が要求したりした貨物を満載しているのだろうな、と想わせられる。

物流はいまやこの国と国民、産業の血流である。今後より一層のスムーズさとともに安全性が希求される。

事故を防ぎ、人を守ることは、輸送事業者だけにとどまらない社会的使命だという。日立物流および日立キャピタルオートリースは、理化学研究所、関西福祉科学大学、日立製作所と「物流トラック運行管理における疲労科学に基づく事故リスク評価予測手法の開発」を目的として、共同研究を開始した。

IoT(モノのインターネット)技術の活用により、ドライバー任せにしない安全運行のためのビークルソリューションを開発し、安全・品質を確保するとともに、この取り組みを広く展開し、プラットフォーム化することで「安全・環境に配慮した社会」「事故ゼロの社会」の実現をめざす。今回の共同研究では、トラック運送業務におけるドライバーの疲労に着目した、運行中の事故リスクを低減する安全運行支援技術を開発する。

・ 運行前の生体の測定情報、および運行中の車載センシング機器からの危険シグナルおよび生体情報のすべてをクラウドに集約
・ AI(人工知能)による時系列多変量の相関性分析により、事故・ヒヤリハットに影響を与える状況を判断
・ リアルタイムにドライバーおよび運行管理者へ警告を発信
・ 非定常動作・ヒヤリハットの記録を蓄積
・ 「疲労科学」学識者との共同研究(疲労科学に基づく事故リスク評価・対策による安全・品質の追求)

これらを載せたプラットフォームによって、事故ゼロをめざす運送事業者をトータルサポートし、ドライバーの労働負担軽減および環境改善をも実現するという。