国際的に見た生産性の低下や生産年齢人口の減少などを背景に、「働き方改革」が叫ばれている。日本ではいま各業界でそれが進められている。当面の目標は組織によって様々だろう。けれどデジタルおよびIT(情報技術)を活用することでは概ね共通している。
日本社会において、働き方改革を行い、労働時間を短縮し、生産性向上に取り組み、意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっているという。飛島建設グループおよびWill Smartの2社は、今年4月に業務提携に関する基本合意を行い、共創プラットフォームとなる「e-stand」を共同開発。このプラットフォームを9月から、まずは建設現場で新たな生産性向上サービスとして始動させると発表した。
e-standは、働き方改革用システムを備えるだけでなく、電子商取引(EC)機能を併せ持つ、進化版サイネージとして開発された。働き方改革サポートシステムとして、デジタル技術を高機能化しEC機能と組み合わせることで、労働時間の短縮のみならず、生産性向上を推進する。そして配達先の指定が困難な現場やイベント会場などに設置することにより、EC購入の新たな場を提供することも可能になるという。
公的機関、情報通信業、卸販売業・小売業、金融業・保険業、サービス業などと連携できる、共創プラットフォームとして有効なファシリティシステムとなる。その先駆けとして今回、建設現場サービス付きe-standでは、建設現場の休憩所(詰所)にモニターとともに設置し、様々な機能を利用してもらうことで、業務効率が図られ、建設現場を働きやすい環境に変化させることを計画している。
建設サービスは「現場の生産性向上」機能において、情報の見える化、リスクの低減、安全の訴求と徹底、効率的な入退出などを実現し、「従事者の生産性向上」では、作業員の利便性や快適性、健康管理等の機能を備える予定だという。