金融と情報技術を融合させるフィンテック(FinTech)がいま熱い。世界を見わたせば、各国の中央銀行がデジタル通貨を研究したり、業界の垣根を越えた金融サービスが展開されたり、出稼ぎ労働者たちが銀行を経由せずに本国の家族へ送金したり――。
キャッシュレス決済市場の未熟を言われる日本でも、スマートフォンの普及とともに多彩なFinTechサービスが台頭していて、個人向けには新機軸のサービスが打ち出され始めている。
きょう、ISIDは、同社が運営する国内最大規模のFinTech拠点「FINOLAB」において、法人向けプリペイドカードによるキャッシュレス化推進の実証実験開始を発表。6月までの予定で、FINOLABスタートアップ会員を中心とする中小企業、約10社の参加を見込んでいる。
今回の実証実験は、同会員であるクラウドキャストが試験的に発行する法人プリペイドカード「Stapleカード」を用いて、経費支払をキャッシュレス化する試みであり、法人向けに、実店舗・オンラインを問わず、与信不要で本格的なキャッシュレス化を実現する取り組みとしては、日本初だという。クラウドキャストは、クラウド経費精算サービス「Staple」で注目されているスタートアップで、ISIDはFINOLAB運営を通じてかねてより同社の事業拡大を支援してきた。
Stapleカードの事業構想にあたっても、検討開始当初からプロジェクトに参画し、日本ではまだ普及していない法人プリペイド領域にStapleを応用するアイデア創出に協力。大手カード事業者等との協業の枠組み作りや、サービス間連携に伴う技術面の課題検討など、早期事業化を目指した活動をバックアップしてきたという。
ISIDは、この実証実験の企画・運営にも参画し、実サービスに限りなく近い形で実証を行う場として、FINOLABのコミュニティを最大限活用できるよう支援していく構えだ。