IoT活用で事務業務を最適化、凸版印刷

凸版印刷は、ベトナム最大手のIT企業であるFPTと共同で、センサーなど産業向けIoT(モノのインターネット)を活用して事務などのBPO業務を可視化し、高効率かつ高品位な運用を実現する「トッパン事務業務効率化シミュレーションサービス」を開発した。

トッパン事務業務効率化シミュレーションサービスは、従来工場を中心に導入されていた、膨大なデータから過去の現場環境をコンピュータ上に再現し、シミュレーションを行う技術「デジタルツイン」を事務業務向けに活用するため、産業機器向けのIoTプラットフォームなどを元にその仕組みを発展させて開発した。

FPTと共同で開発した運用システムにより、センサーなどを通じてヒト・モノ・設備などの情報を収集し、クラウド上のデータベースに登録して分析することで事務業務の効率化を図るもの。

具体的には、作業実績や品質などのデータ、オペレータの生体情報や室内環境に関するデータを収集し、情報の登録・分析・見える化を実施。きめ細かい業務分析により共通動作部分へのRPA導入やロスが多い作業でのGUI改善、労働環境の再構築など業務効率化に向けた改善提案を可能にする。

提供開始に先立ち、凸版印刷におけるBPO事業の統合拠点「BPOスクエア朝霞」で2018年5月から実証実験を実施し、効果検証を行う。凸版印刷はFPTと海外BPO事業での協業に関する覚書を2016年5月に締結しており、今回の新サービスもその一環となる。

近年、業務効率化の観点から、顧客からの業務や申込の受付、問い合わせなどをアウトソーシングするニーズが拡大している。特に、金融、医療・ヘルスケア、環境エネルギー、公共・自治体への対応など様々な分野での法律や制度の変化に伴って、その内容と範囲が複雑化・大規模化し、求められる品質が急速に高まってきている。また、企業が持つ膨大なデータを組み合わせて新たな価値を発掘するデジタル変革の推進にも注目が集まっている。