パーソルキャリアは、日本情報通信とテックビューロとともに、ブロックチェーン技術を利用した副業支援アプリケーションの実証実験を実施したことを発表した。副業の労務管理課題を検証した。
昨今、仮想通貨やICOの基盤技術として、ブロックチェーンが注目を集めている。ブロックチェーンには「耐改ざん性」「ゼロダウンタイム」「スマートコントラクト」などの特徴があり、幅広いサービスへの流用が可能。パーソルキャリアは、システムインテグレーション事業を展開する日本情報通信と、ブロックチェーン技術に基づいたサービスを開発行うテックビューロとともに実証実験を実施した。
今回の実証実験では、近年注目されている副業を支援するためのアプリケーションを開発した。企業が副業を制度化する上で、社員の労務管理は大きな課題となる。また、副業を行う個人は、勤務時間の自己管理が大きな負担を強いられていた。そこで、ブロックチェーンの技術を用いて、勤怠データを管理するアプリケーションを開発し、副業に伴う課題を検証した。
副業先の労働時間実績データのブロックチェーンを、社内システムへ連携させることで副業先の労働時間管理を可能にした。また、デジタルデータで所有する資産であるトークンを用いた排他制御により、同時に複数企業の出勤登録を不可能にし、二重勤務の防止につなげた。
従業員は、雇用元と副業先との勤務実績の自己管理、自己申告を行う負荷が発生していたが、同一のツールにより、雇用元と副業先の企業間で相互に勤怠管理を可能にした。雇用元と副業先による勤務実績の計算ミスや改ざんのリスクについては、ひとつのトランザクション(取引処理)を成立させるために、複数の承認(電子署名)を必要とする仕組みであるマルチシグネチャにより、双方でデータを保護して不正を排除した。