自動運転技術を町に結集、ドライバーレス配送を実証

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術が普及し始めた今、自動運転技術の研究開発も加速している。両先端技術は、さまざまな業種で労働力不足が深刻化しつつある日本において、いっそうの拡大と早期の実用化が期待される。

情報通信端末としてのコネクテッドカー(つながる車)を総務省も平成27年版白書で取り上げていて、緊急通報や保険、盗難車両追跡システムサービスなどでの実現を示唆している。一方、コネクテッドカーと密関係にある自動運転車両については、サービス品質を維持向上しながらの人手不足解消が喫緊の課題であるヤマト運輸が、DeNAとともに「ロボネコヤマト」開発プロジェクトを立ち上げている。

そしてきょう、両社は、神奈川県藤沢市内の一部地域において、昨年4月から約1年間実施した自動運転社会を見据えた次世代物流サービスの実現を目指す「ロボネコヤマト」プロジェクトの一環として、自動運転車両を用いた配送の実証実験を行ったと公表した。

これまでの「ロボネコヤマト」は、専任ドライバーによる有人運転を行っていた。ドライバーは荷物の発送・受け取りに関与せず、利用者自身が荷物を車両から取り出すサービス設計で運用してきた。しかし今回、車両の走行を実際に自動運転化した際の改善点の洗い出しを目的として、アイサンテクノロジー社の協力のもと、同社の自動運転車両を用いた実証実験を実施。

約6kmの藤沢市内公道においてドライバーが着座した状態での自動運転走行のほか、持続可能なスマートタウンづくりをめざすFujisawa SST協議会の協力のもとで、封鎖した公道上をドライバーレスの自動運転で走行した。

さらに、自動運転車両を用いた実証実験の一部で日本信号(株)協力のもと、携帯電話網を用いて信号情報を自動運転車両へ送信する、日本初の技術実証も行ったという。

――今回の成果は、自動運転は過疎地からとのパラダイムをシフトさせるだろう。