ユニークなEnMSを開放し"脱炭素モデルタウン"実現へ

あらゆる生物とともに持続可能な社会をめざす。人間界ではいま、再生可能エネルギーの利用とエネルギーマネジメントシステム(EnMS)が脚光を浴びている。化石燃料に大きく依存している限り、気候変動や環境汚染等を招く物質の排出を抑えられず、ゼロエミッションは達成できないから。

電気自動車(EV)の普及をめざす各国の動きも、さまざまな企業・産業が協力し合い資源の再利用を進め、有害物質の排出をなくす構想「ゼロエミッション」の文脈にある。そしてEVだけでなく、家やビル、工場や店舗などでも太陽光などの再生可能エネルギーをも利用して、エネルギー全体の管理を組織的にPDCAサイクルを回しながら行っていくこと――即ち、国際規格でもあるEnMSの進展が求められる。

きょう、竹中工務店は、独自開発したエネルギーマネジメントシステム「I.SEM®」を幅広く展開することを目的に、オープンイノベーションの一環として日立製作所との協業契約を締結したと発表。このたびの契約は、世界的に広がるEVの普及と、EVから多彩なモノへ電力供給する"V2Xシステム"拡大への期待を背景として、両社の実績およびニーズをマッチングしたものだという。

竹中工務店は、これまでのV2Xシステムに関する技術実証で培われた実績をもとに、I.SEMがもつ機能のうち、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて複数台のEV充放電を最適に制御する機能に関して、システム構築や運用上のノウハウを日立製作所に提供し、日立製作所が海外での展開を検討しているビルやインフラにおけるV2Xシステムの構築を支援する。

今回の協業は「脱炭素モデルタウン」――建物群がエネルギーを融通し合い、未利用/自然エネルギーなどを無駄なく活用できかつ効率的で環境負荷を低減したまちづくりのモデル街区実現に向けて、竹中工務店が'16年より取り組んできたオープンイノベーションの成果の1つだという。