PaPeRo iは、NECプラットフォームズが2016年7月に出荷開始したロボット型オープンプラットフォーム。撮影用カメラや顔認識用カメラ、温度・湿度・光度などのセンサーを備える。音声認識機能やテキスト読み上げ機能を利用でき、クラウド型人工知能(AI)との連携が可能。
今回発表したサービスは、高齢者宅に設置する通信機器付きコミュニケーション・ロボットであるPaPeRo iと、ロボットに接続したディスプレイ、音声認識AIと連携しSNS機能を持つクラウドサービス、家族が使うスマートフォンまたはPCで構成される。
顔検知機能やLEDランプによる感情表現などのロボティクス技術、音声認識AI技術、さらにクラウドサービスを融合し、一人住まいの高齢者の安心・安全な暮らしを支援する。また、高齢者と離れて暮らす家族とのコミュニケーションを豊かにすることを目的としている。
見守り機能としては、朝/昼/夕の1日3回、高齢者がロボットの前に来た際に顔を検知し、ロボットが挨拶して「写真撮っていい?」と問いかける。高齢者がロボット本体に付属のボタンを押してOKを意思表示すると写真を撮影しSNSに送信する。
また、コミュニケーション機能としては、家族が撮影した写真やビデオ、テキストのメッセージを見守り対象の高齢者に送信できる。さらに、高齢者がロボットに対し、本体に付属のボタンを押して「明日の天気は?」「ニュースを教えて」などと話しかけると、天気予報やニュースの情報を音声に変換して提供する音声リクエスト機能を利用できる。
NECによると、高齢者と家族だけでなく、ケアマネージャーなど自治体や関連団体の職員も見守りに連携できるのが特徴だという。自治体が主体となりロボットを使った見守りサービスを提供するのは新しい取り組みであり、NECは実証実験を通じて見守りサービス向けソリューションの実用化、生活支援へとサービスの充実を図ることを検討している。
西条市が2018年5月からサービス参加希望者を募集し、7月から9月までの3カ月間で実証実験を実施。その結果を分析して、2019年4月からサービス提供を開始予定。