いつもと違うシステムの振る舞いを監視する、AIをパッケージ化

プラントや工場、発電所等の物理システムは、異なるコンポーネントが複雑に連携していて大規模である。高度な分業によるコンポーネントのブラックボックス化や、より複雑な連係動作が、専門家にさえ全体の挙動把握を難しくしている。

システムに多数配置されたセンサから大量の時系列データを収集・分析、コンポーネント間の局所的な関係を抽出し、これらを積み上げることでシステム全体の挙動を自ら把握する。センサ群の関連性を機械学習により自動抽出するため、専門家でも気づきにくい「いつもと違う」動きが検出可能となる。関係式は高速演算できるように単純化されていて、人の総合判断プロセスと同様、すべてのセンサの関係を網羅的に見られるという。

独自の「インバリアント分析技術」を保有しているNECは、システムの振る舞いを自動的にモデル化し、システムの稼働状況の見える化と故障予兆検知を実現するAI(人工知能)エンジンであるこの分析技術をパッケージ化、本日より販売開始する。

デジタル化による安全で効率的なシステム操業の実現が望まれている昨今、同社のAI技術群「NEC the WISE」の1つである同分析技術は、電力プラントへの導入の他、製造業、石油化学業のプラント故障予兆などで累計300件以上の検証を通じ、センサ間の関係性を監視する手法のユニークさや、リアルタイム分析が可能な処理性能(数万センサ/秒)等が高く評価されているという。

AIエンジンを一括したことにより、既存システムへの追加導入がしやすくなり、システムの安定稼動/管理コストの低減、顧客のデジタルトランスフォーメーション実現に貢献する。ソフトウェア製品「NEC Advanced Analytics - インバリアント分析 V2.1」は、スターターパックの用意もあり、5月に「IoT/M2M展」、6月に「NEC the WISE Summit 2018」にて披露される。